姉母語録|家人の手料理

「ご飯が食べられなくなったとき」どうするか。
かねてから主治医に「延命はしないで下さい」と言ってきたのは、姉母が元気な時に話をしていたからだけれど、兄が見舞いに来ている時に再度確認をした。
「ご飯を食べられなくなった時に、胃ろうをしたい?」「それは止めて」
「呼吸が苦しくなったら、気管切開してもいい?」「いやや」
「そうしたら死んでしまってもいいの?」「うん、いいよ」
「死んだら、棺に入るときに何を着たい?」「何でもいいよ、お葬式も要らないからね。焼いて海に流してくれればいい」
「そういう、イレギュラーな事が一番難しいんだから」
姉母は着道楽で若い時は着物で通した人だった。
最近聞いたら、足が綺麗ではなかったのが理由だと言って驚かされた。
「好きな着物はない?それを着せてあげるわ」
「アンタ!着物なんて勿体ない。絶対に焼かないでよ」
あーー驚いた。
多分、姉母には死の実感はないのだろう。
古着屋では大紬紬や結城紬でも3000円くらいから売られていると知ったら卒倒するだろう。
いや、死にきれないだろうから、それは最高機密である。

家人の手料理は続いている。
昨日は夕食作りをすっかり忘れていたので、買い出しをしなかったそうだ。
冷蔵庫にあった鳥の胸肉で作った一品。
味気ない胸肉がネギソースで美味しかった。
いつの間にか冷蔵庫の残り物料理が出来るようになった。
具だくさんのみそ汁を大きなお椀で頂くとお腹が一杯になった。

姉母のお陰で我が家は新しいシェフを迎えることが出来た。
感謝。

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