姉母の転院 ‐ 病院とすれ違う心

いよいよ明後日、姉は系列病院へ転院する事になった。
転院するにあたって、提出の書面が沢山あって、それ印鑑だ、コピーだと準備はなかなか大変だ。
姉の転院の準備をする内に、私は姉の現状を知らない事に気が付いた。
病院には行っているしリハビリにも付き合ってはいるけれど、今姉が何種類の薬を飲んでいるのか正確には知らない。
心臓弁膜症はその後どうなったのか、ひどい浮腫みは今後も続くのだろうか。
病院からは、次の病院の紹介があり、退院の日を告げられただけで姉の現状について説明する雰囲気は全くなかった。
ちょっとおかしいなと思ったので昨日、師長さんにその事をお聞きした。
すると「ご家庭に帰るのではなくて、病院に行かれるのですからそちらには書面で説明しています」と言う説明がされた。
病院も沢山の書面を準備されて、大変だろうとは推測するけれど家族に関係ない所で話が進んでいるような気がする。
病院が知っていれば家族は関係ないのだろうか。
「ご家庭に帰る方には、ひと月かけてお風呂やトイレ介助の練習をして頂いてます」がお宅は・・
そんなことを言いたいわけではない、今の姉はどんな薬を何のために飲んでいるのかを知りたかっただけだ。
おおよそ、その事は知っているけれど退院の時はキチンとお聞きしておきたいと思っただけなんだけれど。
「以前説明しましたよね」
確かに3月前には医師や訓練士の方まで揃っての説明会があった。
ところが9月を過ぎると、それは全くなくなって何となく病院のお荷物になりかけていることは感じていた。
「その後、変化はありません」と言う一言でも良かったのだ。

転院先の病院の面接に行った。
姉は既に政府の決めたトレーニング期間を全て使い切っているので、今後は療養型の部屋で次に行く「サ高住」の空きを待つと言う入院ですと説明された。
山際の綺麗な部屋だったけれど、リハビリもないとなると刺激がなさすぎるので「大部屋が空き次第移りたい」と言うと
「大部屋だから活気がある訳ではありません。ここはほとんどの方が寝たきりでチューブの食事の方が多いのです」と言う返事だった。
家人は「個室のままがいいんじゃないの」と言い出した。
「ぼけてしまうよ」と私。
結局、私が姉のリハビリ担当で病院に通う事になりそうだ。

「療養型の期日が来た方はどうされるんですか」とお聞きしたら「特養もしくはサ高住に入って頂きます」と言う答えだった。
どちらの壁も高い。
やはり漂流老人は増える一方だろう。

政府は特養を作りたがらないようだ。
簡単に認可の下りる「サ高住」を進める方針らしい。
「サ高住」は利益を上げなければならないから、何をするのも点数に換算される。
点数はイコールお金である。

もう、考えるだけで嫌になる。
「おばあちゃん、長生きして下さいね」なんてもう数年すれば近所の園児たちに言われそうだけれど「長生きして良かった」と言える国から日本は段々遠くなっていくような気がする。


お口直し

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