日々ー15

一年で一番暑い日になるから「熱中症に気をつけましょう」と、毎朝お天気おねえさんがテレビで呼びかけている。
天気予報を聞くだけで気が失せる。
5時頃に、そろりと起きて、戸を開け放つとかすかに風がそよぐ。
今の内と、飛び出して庭をひとめぐり、伸びきった苗にハサミを入れたり水撒きをすると終わりのころにはシャワーに直行するほどの汗が出る。
いつまで続くのだろうとうんざりするけれど、夏本番はこれからだろうか。
こんなに暑いのに上空に寒気があるとかで突然の雷雨に見舞われる。
そんな日のきなこは大変だ。
何となく私にすり寄り、不安な眼付をする。
それでも「待っててね」と言うとすごすごと、お決まりの場所に入り込む。

ロッカールームの洋服掛けの下がきなこの定位置

この体制で私が出かける寂しさをこらえようとする。

犬なで声で「行ってくるね、待っててね」と言っても心を閉ざしてしまう。
一旦出かけて、忘れ物をして直ぐに引き返しても、決して帰って来たとは思わない。
ある程度の時間を経過して帰ると飛び出してきて喜ぶ。
無心とか、無償とかで言い表せない感情が犬と人間の間には生まれてくる。
今夜はびわ湖岸、堅田の花火大会、ドオーーンと言う音が聞こえてくる。
この音もきなこは苦手。
鈴花ちゃんがあげてるんだよー。
我慢しようね。きなこ。