人生狂わす恐怖

Kさんから久しぶりに連絡がありました。
昨年からご主人の仕事が極端に減ったと話していたので気になっていたのです。
近況を聞くと、恥ずかしながらと話してくれた。
「ギャンブルしかないもん」
これは主人に教えられたんだけれど・・と。
彼女は大島紬の織り手で、東京のデパートの物産展などで活躍をしていた。
大島紬をひと月かけて織っても数万円にしかならず、その支払いも遅れがちになった頃から、本格的にパチンコにはまったらしい。
ご主人は住宅のクロスを貼る職人さんだったけれど、昨年は1日も仕事が無かったとか。
彼女は過去に癌の手術をしているので永い人生ではないからどうでもいいのといいながら、パチンコは2時間で5万円になるから大島紬に戻る事は出来ないという。
年金はかける余裕がないと数年前からかけていない。
私は言葉を尽くして、パチンコは週末の楽しみにするように言ったのだけれど、私は永くないからこのままでと言われてしまった。
会いにきてくれる?
行きたいけれど4月は無理。
あっ、いいよ
と、電話は切れた。
Kさんは小説になりそうな数奇な人生を歩んだ人だ。
地味な仕事をコツコツして何とか暮らしているというと、美しいが人生そう美しく生きられモノでもないという事を思い知らされる電話だった。

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