あの人の台所道具|幸田 文,向田 邦子,森 茉莉,高峰 秀子,武田 百合子,石井 好子,宇野 千代

道具好きの私は、中でも台所の道具には興味がある。
台所道具は、一日に何度も手に取るものもあるので、使い易さ、手触りにはこだわりがある。
そんな訳で台所道具と書かれている本は常に手に取って来た。
けれど立派な台所の写真はあっても、道具の写真は少なくましてや使い勝手、
その道具を使った料理に至るまで書かれている本はなかった。

この本に書かれた7人の女流作家(幸田文、向田邦子、森茉莉、高峰秀子、武田百合子、石井好子、宇野千代)が如何に台所が好きだったのか、使い込んだ台所道具の数々から伺い知る事が出来る。
その道具の紹介にとどまらず、今何所に連絡すれば入手出来るかについても書かれている。
作る道具、お掃除道具、食べる道具、お気に入りの食材と内容が分かれている。
その内容は7人が書いた本の中から選び出した道具達なので、使う場面が写真に添え書きされているので、その本も読みたくなるというもの。

布巾と雑巾について幸田文と森茉莉の対比も面白い。
幸田文は雑巾と布巾を分けて箱にしまっていたと言う、森茉莉は雑巾は汚れを他に移すだけと言って使わず、ティッシュを使うと言う。
汚れを他所に移さないような雑巾の使い方は幸田露伴が文にしっかり伝えている。

家庭内には布巾、雑巾に至るまでそれぞれのこだわりが存在する。
私のこだわりは布巾と采橋。
手に添わないと何所かにイライラが残る。
だから、台所道具と侮るなかれ。

日々、気持ちよく過ごすには台所道具は家庭平和の隠れた要なのかも知れない。
道具好きにお薦めの一冊です。
別に聖夜でなくてもいいけれど。

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