博士の愛した数式 ‐ 小川 洋子|寺尾 聰, 深津 絵里 監督:小泉 堯史

大阪空港内のflower shop

大変人気の映画であるらしい。
大分行きでは「博士の愛した数式」と「椿山課長の7日間」の2冊が読めた。
どちらもいっきに読める面白さでした。
博士の記憶は8時間しか持たない。椿山課長の現世帰りは7日間しない。
どちらも時間や期間を句切られた中での人間模様である。

今日は「博士…」の読書感想文といたしましょう。
登場人物が極めて少ないのが特徴である。
事故により8時間で記憶が消える博士と家政婦その息子、博士の義姉の姿は気配が伺える程度に少々。
という事は映画を見ていないのでなんとも言えないが、舞台にしても結構いいかも知れませんね。
ストーリーはあらゆるところで書かれているので、ここでは割愛とします。
ただ博士と私に似ている部分があり、博士に親近感を押さえる事が出来ません。

数式を愛している事でも素数の発見が上手いことでもなく、
ここだけの話、記憶が8時間くらいしか持たなくなった事です。
笑えない喜劇のように次から次へと忘却の彼方です。

例えば、ただいま建築中のギャラリーのドアの開き方
先週の打ち合わせ中に「ところで家のドアはどちらに開くの」と聞きましたら、Kさんは「内開きです」と当然のように答えました「えっ、家はアメリカ式なの?」この辺でKさんの顔は引きつりはじめて「一番最初に奥さんが内開きといわれましたよ」「みんなの家の話をしただけじゃない。あそこは内開きから外開きに棟梁が勝手に変えたからさあ~三谷ファンとしてはそこを外せない話だっただけよ」では済まないくらいにKさんを緊張させてしまいました。
「どちらでもいいんですけどね、内側が広けりゃそれでいいのよ」と簡単にいう私に彼は唖然呆然。

この本は8時間で記憶がなくなる本人が8時間で記憶がなくなる事を回りに認めさせ、自分もそれを認めるところ、つまり現実を受け入れて対応する人間愛に溢れた物語が現在人を引き付け感動させているのでしょう。その橋渡しをするのが美しい数式である。

映画版(YouTube)のDVDです

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