金融腐蝕列島 ‐ 高杉 良|(出演)役所 広司, 仲代 達矢(監督)原田 眞人

本箱にある読んだかもしれない本の中から、高杉良著「金融腐敗列島」を読んでみた。
過去に映画化されている。
娘に「随分古い本を読むねえ」といわれ「映画化されているみたい」というと「博多で観た映画でしょう」と言われた。
さっぱり覚えておりません。小説も新刊の感覚で読めた。
時代はバブル崩壊の平成5年に設定されている。
本になったのは平成9年で凡そ、10年ほど前のものである。

バブル崩壊から、やっと立ち直りかけた今読むと「大銀行崩壊の予兆」が生々しく高杉氏は人物のモデルは数人を混ぜて主人公にしたとはいいながらあまりにリアルである。
数日前には「乱気流」で日本経済新聞社の元社長が本のモデルとなり名誉既存を受けたという裁判があった。
人物を特定される可能性があるとして賠償金の支払い判決が下りたが出版指し止めにはいたらなかった。
それほど、高木氏の小説はフィクションとは言いながらノンフィクションの部分を感じさせる。
読者としては銀行、デパート、新聞社等の世界に精通する小説を読むことにより、社会の構成に目が開かれる。
この本の中身は日本を代表する大銀行「住友、三和、さくら、富士」がチラチラと見え隠れする。
これらの銀行は今は統合されその当時の名前で存続していない。
バブルの頃、飛ぶ鳥も落とせたバンカーたちの銀行の名誉を守ろうとする滑稽な努力がこの本の中から読み取れて、面白い。

映画版DVDもあります
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