輪違屋糸里 ‐ 浅田次郎|【映画】あかね空(出演) 内野 聖陽、 中谷 美紀(監督)浜本 正機
ヨーロッパへの玄関、スキポール空港までおおよそ12時間かかる。
KLMの映画は充実していると安心して軽めの本を2冊持ち込んだ。
映画は「あかね空」これは嬉しく拝見しました。
それを見たばかりに眠れなくなり、本を読み始めると持ち込んだ本は行きの機内で読了してしまった。
家人が持ち込んだのは「輪違屋糸里」の文庫本。
これはハード本を買っていたのに。
家人はこの頃「浅田次郎」がお気に入りらしい。
以前読んではいたけれど、中身に記憶がないので家人の後追いで読み始めた。
ん~~~こんなに面白かった?
随分昔に島原の角屋を見学した事がある。
この本を読んで行ったのならもっと深く見てきたと思う。
室内の壁の色は「浅黄色」新撰組の揃羽織と同じだった。
今花街は、祇園と上七軒に残っているが島原は角屋と輪違屋が置屋の面影を伝えているだけで「花魁」などを見かけることはない。
私が高校の頃友人のお母さんが何かの折に頭にお玉やフライ返しを鉢巻で巻いて着物の襟を抜き内八文字に座敷を歩いてくれた。
そのおかしな姿に笑い転げた事を思い出す。内八文字歩きを想像できるのはその時のお陰である。
あのお玉やフライ返しが太夫の櫛笄の代わりだったとは・・。
壬生義士伝と双璧をなすといわれるだけに各所に浅田節がちりばめられている。
その時代の女の切ない胸のうちを女以上に書けるのは浅田が男だからだろう。
浅田節にはかなり慣れているので、簡単に涙は出ない。
それよりも太夫と言われる人間の作られ方に興味をそそられた。
見かけは人形のように磨きぬかれ文中の言葉を借りると
「島原の太夫が禿の時分から血を吐く思いで身につける芸はな、白拍子の昔から千年も伝えられた尊いもんどすのや。芸事いいますもんは、お武家さんの槍や刀の術よりも根っから尊い、かけがえのないもんどすのや。」
太夫はお内裏の中で舞い謡う五位の位にあり、侍よりも上に位置している。
島原では想像も出来ない格式の遊び方があったという事である。
近年に見られない女の生き方に感動する本だった。
コメント
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こんにちは!
検索からたどりつきました。
個人的に京都の嶋原太夫を応援しているものです。
舞妓芸妓とは違った花街文化を伝える彼女達のことを
お知らせしたいので、コメントさせていただきました。
現在も嶋原に「太夫」は存在しています。一般に公開していない「輪違屋」を置屋兼お茶屋としてお座敷等でのお仕事を
されています。
関連の麻生圭子さんのコラムのリンクを貼らせていただきました。
ご興味おありでしたらまたご覧ください。
さつきさん
嶋原の太夫情報をありがとうございました。
麻生さんのコラムで木屋町で花魁道中があると知りました。
来年4月には是非出かけたいです。
コメントありがとうございます!
木屋町の太夫道中は・・
(京都では内八文字の「太夫道中」なんです・・外八文字の「花魁道中」とは若干趣が異なります)
「木屋町会」で検索されると詳しい情報の出るホームページが出てきますよ!
実は太夫道中は他にも
・吉野太夫花供養・太夫道中
(4月第三日曜日・鷹峯・常照寺)
・北政所茶会・太夫道中
(10月6日・東山・高台寺)
・夕霧供養・太夫道中(11月第二日曜日・嵯峨・清涼寺)
・嵐山紅葉まつり(11月第二日曜日・夕霧供養祭の後、
嵐山渡月橋付近へ移動・太夫道中)
毎年お寺の境内・周辺等いろいろなところで見られますよ!
その後お寺の中で太夫さんの楽器演奏や舞やお茶のお点前
なんかも行われることがありますが、そちらは有料であることがほとんどです・・。
このほか3月1日お昼の11時~ 雛祭りイベント
上京の宝鏡寺で太夫が舞を奉納したり・・もありますが
こちらはお寺の中の行事なので入場料が必要な上
道中はないのです。
お近くでしたらぜひお出かけください。
リンクにwikipediaのアドレス載せました。
「嶋原」や「花扇太夫」「司太夫」をキーワードに
検索してみると面白いですよ。
お騒がせしました・・!
さつきさん
沢山の情報をありがとうございました。
太夫道中と花魁道中の違いがあるとは知りませんでした。
春まで待たなくてもチャンスがありそうですね。
カレンダーにチェックを入れておきます。
skogさま
個人的には10月の高台寺の道中が見やすくて
おすすめですが・・11月も紅葉の頃で
素敵だと思います。
それでは失礼します・・・・。
さつきさま
高台寺が一番近いのですが、6日では終わっていますね。
嵐山にいければいいのですが・・。
ごぶさたしております。
今年も高台寺で10月6日に太夫道中とお茶会、開催されます。太夫道中はお寺の駐車場あたりを道中するあたりは見学自由とか。
1日二回行われます。
詳しくは高台寺さんへ
お問い合わせください。
さつきさん
毎年ご案内頂きありがとうございます。