珍妃の井戸、蒼穹の昴 ‐ 浅田 次郎|そして鳩山内閣

浅田次郎著「珍妃の井戸」は現在BS2で放映されている蒼穹の昴の続編である。
浅田が書くと、小難しい中国の歴史がスルスルと頭の中に入ってくるから不思議だ。
勿論小説なので歴史書ではないと言う事が話を面白くさせている。

この時代背景は1800年後半から1900年頃初め頃、
珍妃の井戸の背景には義和団事件と八カ国連合軍の北京侵攻という歴史的事実がある。
連合軍が北京を陥没させる直前に西太后が西安に逃げ、その混乱の中、光緒帝が寵愛した珍妃が命を落とした。
義和団事件に先立ち光緒帝が起こした戊戌の変法がある。
光緒帝の全面的な支持の下、若い士大夫層らの変法派によって行われた政治改革がある。
この変法は改革積極派が手を取り合って始めたものであったけれど、時間の経過とともに寄り集まりのもろさが表れる。
この辺のくだりが、鳩山内閣に似ているように思えてならない。
戊戌の変法は西太后派にクーデターとみなされ、光緒帝は幽閉されこの政策はほとんど実行されずに終わっている。
この時に珍妃は光緒帝とは別に冷宮に閉じ込められ、その後生きたまま井戸に投げ込まれた。
1900年の義和団の乱では西太后が排外運動の反乱を支持して欧米に宣戦布告をした。
が、2か月で制圧された後、西洋的方法を視野に入れた政治改革の必要さを認識して自らが失敗させた戊戌変法を手本としたいわゆる光緒新政を開始した。

さしづめ光緒帝は鳩山総理か、すると西太后は小沢幹事長かと思いながら読んでいたけれど、どうも小沢さんは西太后の役回りではなさそうだ。
西太后の役者は自民党内にいるのだろうか。
そして、珍妃を井戸に投げたのはだれか。
通説では西太后とされているけれど果たしてそうだろうか。
この小説に登場する誰もにその動機があるように話を進めて行くうちに、ますます真犯人が誰かわからなくなった。

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