往復書簡 ‐ 湊 かなえ|おそろし ‐ 宮部 みゆき|山峡の城 ‐ 浅黄 斑

本好きの友人の家のテーブルに置かれていた本をそのまま借りてきた。
自分で買う時は作家が決まっているので、友人の本を借りるのは新しい作家探しをするには最適な方法だと思う。

「往復書簡」
今話題を集めている吉永小百合主演の映画「北のカナリアたち」の原作だとは全く知らなかった。
往復書簡という手段で20年前のある事故が検証されていく。
思いがけない事実が明らかにされていく過程を読者として傍観している私。
初めて知ったけれど湊さんは評価の高い作家さんらしい。
書店では決して手に取らない本だけに新しい刺激になった。

「おそろし」
宮部さんの本は、かなり読んでいるので旧友にあったような感じで読み進んだ。数ページでのめり込んだ。
主人公は17才のおちかという娘。
ある事件をきっかけに心を閉ざしたおちかに江戸の袋物やの叔父夫婦が仕掛けた治療法とは・・。
まるで千夜一夜物語のように、おちかの元に次々に客がやってきて、話をしていく。
次第に話に引き込まれたおちかは客の語る不思議な物語に引き込まれ、いつしか心が溶けていった。
今まで読んでいた宮部さんの本とは全く違う内容の本にちょっと驚いた。
この世ともあの世とも境界のない世界は、小説では楽しめる。

「山峡の城」
越前大野藩のお家騒動に巻き込まれる落合孫兵衛と嫡男勘兵衛の物語。
福井県大野市は滋賀県のすぐ隣なので、聞きなれた地名が多く出てくるので背景を想像するのは容易かった。
時代小説は藤沢周平の世界にどっぷりはまっていたので、本を読みながら作家が浅黄さんと言う初めての作家であることを忘れ、つい藤沢小説を読んでいるような錯覚をした。

今月は、湊 かなえさんと浅黄 斑さんと言う新しい作家さんに出会えた。

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