みをつくし料理帖2 ‐ 高田 郁

五穀のシフォンケーキ

四角いシフォンでこの頃評判らしいよと、ご近所さんが買ってきてくれた。
しばらくぶりの柔らかいケーキは特別に美味しかった。

「みをつくし料理帖」9巻を読み終えた。
平行読書していた帚木蓬生著「賞の柩」は今夜中に終わりそう、浅田次郎著「終わらざる夏」は数ページ。

それほど「みをつくし料理帖」には、のめり込んだ。
帚木さんの本は九州にいる頃によく読んだ。かなり好きな作家だったけれど「みをつくし料理帖」を読むと物足りない。
登場人物は少ないが、一人ひとりの背負う背景が丁寧に描かれているので、人物の体温を感じる。
透明人間になって、江戸時代にタイムスリップしたかのように満足をする本だ。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚を総動員させて読んだ。
料理の味、日に干したまな板の匂い、鳥の鳴き声、夜道を帰る道すがらの月。
生麩の触覚。
知らず知らずに五感が反応して、料理の匂いを本当に嗅いでいたような気がする。

登場人物にかつて「天満一兆庵」のご寮さんだった、芳がいる。
芳は小説の中で、掃き溜めの鶴のように美しい。
品のある所作が小説の風格まで上げてしまう。
食事処「つるや」のお客には多彩な人物が登場する。
戯作家、版元、医者、旗本、老舗の旦那、それらの人たちが澪にかける含蓄のある言葉は、ヒントにもなり、迷いも生む。
それらに翻弄されながらも、自分の心星を探して、料理の道に精進する澪の人生の目標は、大願成就するのかどうか気になるところだけれど、結末は10巻の発売を待たなければならない。
※現在は10巻も発売されています

巻末には「みをつくしかわら版」があって読者の質問に答えてくれる。
本の中の料理のレシピも巻末に紹介されている。
しばらくは「みをつくし料理帖」ロスになりそう。

 
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以前のskogBLOGでも「みをつくし料理帖」について書いています

※2017年5月に黒木華さん主演にてNHK土曜時代ドラマが始まりました。

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