銀二貫 ‐ 高田 郁|ドラマ 林 遣都

今、高田郁(タカダ カオル)さんがNHKラジオに出演中だけれど、聞ける環境にありますか?
「みをつくし料理帖」の事をblogに書いた時に「私も大好きな本です」と言ってくれたIさんからメールが届いた。
運のいいことに、車の運転中だったので、すぐに聞くことができた。
4月10日から始まるNHK木曜時代劇が「銀二貫」に決まり、その宣伝でラジオ出演していた。
高田さんの声を聞けるとは、なんと幸運な事と舞い上がってしまった。

その日は、宮本輝著の「流転の海 第六部 慈雨の音」を入手しての帰り道だった。
浅田次郎の「終わらざる夏」は中が終わりかけで佳境に入っている。
でもアマゾンから「銀二貫」を買ってしまった。
ドラマの前に読んでおきたい気持ちを抑えられなかった。
今朝から読み始め、一日で読んでしまった。
そして、水野晶子さんの解説を読むと「どうしてだろう、高田 郁さんの本はいつも一晩で読み切ってしまう」と冒頭に書かれている。

我が意を得たり。
それはね、面白いからですよ。
そして、この解説者は「とりわけ時代小説が好きでもなく、人情話に弱いわけでもないのに、気がつくと物語にのめり込み目を赤くさせている」というところまで私と同じ。
高田さんの本はそういう本である。

銀二貫は33両に当たり、現在では130万円前後の価値らしい。
大阪天満の寒天問屋、井川屋の主和助は仇討ちの場面に出くわす。
仇討ちで切られた父親を庇う、10才の鶴之輔を救おうと銀二貫で仇討ちを買い取った。
鶴之輔は武士から松吉という丁稚になり、厳しい寒天作りの仕事や、問屋の丁稚として骨惜しみなく働き成長していく。
それほど裕福でもない井川屋の主と番頭は時には厳しく、時には慈父の目で松吉を育てた。
この時代の大阪は大火が何度も襲い、家や家族や仕事を何度も失いながら、人々は健気に何度も立ち上がった。
4月に始まるドラマが期待を裏切らないように祈りつつ、読了した。

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